ドアーズは、1967年にデビューアルバムをリリース
したが、その4年後にはジム・モリソンが27歳で夭折、
伝説のロックバンドとして名を留めることになった。
  If the doors of perception were cleansed everything would appear to man as it is, infinite
(知覚の扉が拭い浄められたなら、すべてがありのままに無際限に見える)という、ウィリアム・ブレイクの「天国と地獄の結婚」の一節を典拠とする、そのバンド名も、
またデビュー曲、 Break On Through (To The Other Side)も、共に欺瞞的な既存社会への不信を同世代の若者と共有し、ひたすらエロス的地平を生き切ろうとする意志を告知していた。しかしそのドアの向こうに、理想とするべき世界が予見されていた訳ではないし、彼らの姿勢になんら社会的正当性が見出される訳でもなかった。
 

 F.コッポラの「地獄の黙示録」に流されるドアーズのThe Endは、カーツの闇に続く、出口のない彼らの音楽の在処を正しく指し示している。 一方、対照的に、ジム・モリソンの死から10年を経て登場するU2のI will follow は、I was on the outside から I was on the inside へ、肯定的な世界の獲得を潜在的に渇望するベクトルを内在させている。事実その後、ボノが率いるU2は、社会的レゾンデートルの確保を志向するのである。
 だが慈善活動に勤しむボノをジム・モリソンが羨むことはないし、出口のない光は、例えばキング・クリムゾンの ISLANDSの詩が、STARLESSの硬質の闇に転化するその場所から、私たちに微かな痛み=シグナルを送り続けているようにも思われる。 by びれいぽいんと店主

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