先日、バイロイト音楽祭の生中継で久しぶりに「ローエングリン」を観ることができました。
あの有名な結婚行進曲を第三幕に擁するワーグナー最後のロマンティック・オペラです。
ワーグナーの音楽は、歓喜も怒りも、善も悪も、聖なる志も邪悪な欲望も、
人間に可能な想像力の極限において、ドラマチックに構造化していきます。
ローエングリンでは、たとえようもなく美しい聖なる婚礼の音楽が奏でられるまさにその時、
不可能な「信」は破綻し、必然的に人倫の世界の至福は破局を迎えます。ローエングリンは白鳥の小舟で去り、
エルザの輝く未来は永遠に立ち消えてしまう…
今回のノイエンフェルスさんの演出は好き嫌いが分かれるかもしれませんが、充分説得力あるものではありました。
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